MLM商法とは?
MLM(マルチ・レベル・マーケティング)商法は、連鎖販売取引、ネットワークマーケティング、ネットワークビジネス、マルチ商法などといった名称でも呼ばれます。
基本的に以下の4条件を満たすものがマルチ商法です。
- 物品の販売事業であって
- 商品を買いうけ再販売する人を
- 特定利益(紹介料や販売マージンなど)が得られるということで誘って
- 特定負担(入会金、商品購入費など)を強いるもの
MLM商法は法律で禁止されているものではありませんが、特定商取引法により禁止されている「不実の告知」(事実ではないことを言うこと)や「誇大広告」を行った場合には違法になりえます。
また「参加すれば誰でも稼げる」という言い方をしてはならないことになっています。
MLM商法の用語説明
専門用語が出てきましたので簡単に解説します。
特定利益とは
特定利益とは次のように、一般の消費者に商品を売った利益以外のものからくる金銭的利益を言います。
- 「あなたが勧誘した人が買った商品代金の○○%があなたのものになる」
- 「あなたが勧誘した人が売った売り上げの○○%があなたのものになる」
- 「あなたが勧誘して組織に入ったら、□□円をあなたにあげる」
特定負担とは
基本的にあらゆる金銭的な負担が特定負担に含まれます。たとえば
- 入会金、登録料、保証金など
- 研修費用
- 最初に買い受ける商品購入費用
などが含まれます。
MLM商法の具体例(フィクションです)
ユウコさんの携帯に、高校の友人であるアサミさんからのメールが入った。アサミさんからの連絡が来るのはもう数年ぶりである。なつかしくなったユウコさんは、アサミさんと昼食をとる約束をする。
昼食の席で、アサミさんから
「ネットワークビジネスに興味がないか?」
とたずねられるユウコさん。
友達を誘って入会させて、商品をじゃんじゃん売れば月に100万円も夢じゃないと聞いて、その気になったユウコさんは早速入会する。
入会にあたっては、初期投資として数十万円分の商品を最初に購入する必要があったが「すぐに売り切れて何倍もの利益になる」というアサミさんの言葉を信じて、30万円分の商品を購入。
ところが友人を誘って入会や商品の販売をせまるものの、誰も相手にしてくれないばかりか、白い目で見られるユウコさん。それでも借金をしてまで初期投資をしていたために、必ず商品を売らねばならないと切羽詰り、しつこい勧誘をした結果、多くの友人から見放され連絡が取れなくなってしまう。
借金の苦しみと、友人から見放された苦しみとでユウコさんは途方にくれてしまうのであった・・・。